1型糖尿病との闘い

2016年4月27日。

娘は退院しました。

私も娘も久しぶりの青空の下。春風が心地よい。

外の空気が こんなに気持ちの良いことを全身で感じた昼下がり。

しかし この瞬間から 1型糖尿病との闘いが始まったのです。

もうサポートしてくださる主治医も看護師さんもいない。

母親の私がしっかりしなければ。。。

自宅へ帰り ホッとしたのも束の間。

娘の「お腹すいた」の声。

まだインスリンが体に馴染んでないため、空腹感を

感じやすくなっているのです。

体が慣れてくると食欲は元に戻るとのこと。

 

この頃の主治医からの指示は朝昼晩 ご飯前に2単位打つこと。

白飯を50g計り、私なりに調べて必死に作った低糖質の食事。

最初の数日間は喜んで食べてくれた。むしろ、Yは

こんなに食べる子だったけ?とビックリするほどに。

ここは自宅。

アイス食べたい。ジュース飲みたい。

娘は まだ2歳。病気の事を理解できるわけもなく

何より私が まだ全く管理できない。という事も理解できるわけもなく。。。

娘の食欲は容赦ない。

しかし主治医から朝昼晩2単位。1日6単位と指示されており、追加インスリンが打てない。(と、解釈していた。)

 

お腹すいたーーー‼︎‼︎

と泣きわめく日々が数日続き、血糖値も300超え。400超え。下手したら500…

主治医に相談をすると

「これからは お母さんがYちゃんの1番の主治医になるので お母さんの判断でインスリンの単位変えてもいいですよ」と。。。

 

これからは私が単位決めていいんだ‼︎

なんだか自由を手に入れたように ちょっと嬉しかった。

この日から「カーボカウント」がスタートした。

カーボカウントとは。

食後の血糖を決める炭水化物量を把握し血糖値の調整を試みる方法。

食前に打つインスリン=①食事インスリン(食事に含まれる糖質を処理するインスリン)+補正インスリン(食前血糖値から目標血糖値に合わせるインスリン

要するにカーボカウントとは「糖質を見積もる」という事です。

 

しかし このカーボカウントは簡単なことではありませんでした。

何度も書きますが娘は まだ2歳。

自分の病気のことなんて 何も知らない。

 

ご飯を食べた後、ごはんの前、容赦なく立て続けに食べる。飲む。

私の頭の中はパニック状態。カーボカウントどころではない。

逆もある。基本的に インスリン注射は食前に先打ちをしなければならない。

まだ2歳児。

出した物を全て食べるとは限らない。

食べる!と宣言したものを やっぱり いらない。と拒否することもある。

 

立て続けに飲み食いをされたら いったい何単位打てば良いのか分からなくなり 間違って打ちすぎても怖いので控えめに怯えながら打つと 大抵決まって高血糖

食べる!という言葉を信じて先打ちすると

決まって低血糖

 

幾日も幾日も こんな毎日。

私の疲れも日に日に積み重なっていくのでした。

 

そして、仕事復帰。保育園登園。

今か今かと日常を待っていました。

しかし現実は そう簡単に進むはずもなく…

上手くいくわけもなく…

私が描いていた日々とは全く違う日々を知ることになるのです。

そして娘がこれまで すんなり受け入れてくれていた血糖値測定とインスリン注射。

これから私の心がズタズタになる日々が訪れる事を

私は まだ知らずにいたのでした。f:id:guchegucheyukari:20201014221413j:image